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【予約受注生産】『みののミュージック』(Tシャツ+特典しおり)

【予約受注生産】『みののミュージック』(Tシャツ+特典しおり)

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▲発売記念Tシャツ(M/L/XL/XXL)+レコード帯型しおり

※特典のデザインは変更になる可能性があります。

みの(みのミュージック)が“100年先も聴き継がれるべき私的名盤”をテーマに

自身が蒐集したレコード・コレクションを紹介する新感覚ディスクガイド!

 YouTubeチャンネル『みのミュージック』を通じて、古今東西のポピュラー・ミュージックの魅力を音楽を愛する人たちへ届けている音楽系クリエイター“みの”。古今東西の、さまざまな音楽に精通する彼が、所有する膨大な量の愛蔵レコード・コレクションの中から“100年先も聴き継がれるべき私的名盤”をテーマにさまざまな音楽作品をセレクト。音楽を創り出すミュージシャンとして、音楽に対して狂熱の愛を注ぐリスナーとして、彼の音楽人生に寄り添い続ける名盤の数々を貴重なエピソードとともに紹介します。

 7インチ・レコードと同じ判型サイズ(180×180mm)の書籍に収録されたレコードの枚数は、700枚超。オール・カラーの誌面には、音楽の原体験となったビートルズや、音楽鑑賞の概念を覆すほどの衝撃に感動したモノラル・シングル盤との出会い、ロックの裏街道に息づく隠れた名作群、日本の音楽史の分岐点となった“自作自演+コンセプト・アルバム”に関する考察、オルタナティブなジャンルとして注目している民謡、近年は国内外で大きな注目を集めているシティ・ポップの名盤などについて、深い音楽愛を語り下ろした1冊となっています。

<前書き>

 あらゆる音楽を指先ひとつで簡単に聴ける現代において、わざわざレコードで音楽を聴くというのは、明らかに不便で不合理なことです。場所をとるし、手間もかかるし、なによりお金がかかる。効率的とはとてもいえません。

 しかし、考えてみれば芸術というもの自体が、そもそも効率や合理性とは対極にあるものです。小説や映画に心を揺さぶられ、空想の世界に浸っても、腹が満たされるわけでもない。それでも私たちは芸術を求め、その体験が心を豊かにしてくれることを知っています。効率や合理性を超えたところにこそ、実に人間らしい時間が存在するのです。

 レコードで音楽を楽しむという行為には、音楽鑑賞が合理化されるなかで失われつつある、多くの非合理的な喜びが詰まっています。たとえば、場所をとる大きなジャケットは、ミュージシャンが表現した世界へと入るための入り口です。巨大な見開きを広げ、歌詞カードをじっくり眺め、針を落としてサウンドに没頭する時間。前の持ち主が残した落書きやシールの跡に、見知らぬ誰かの記憶や思いを重ねてみるのも、レコードならではの魅力といえるでしょう。

<中略>

 CDやストリーミングで繰り返し聴いてきた音源も、レコード盤で再生するとまったく新たな魅力が浮かび上がってきます。おとなしいと思っていたギターリフが、実は凶暴な歪みを伴っていたり、スカスカだと感じていたアンサンブルが、巨大な塊のようなグルーヴとして躍動していたりと、発見に満ちているのです。レコードという本来の形で再生されることで、当時のミュージシャンが意図したであろう真のサウンドが蘇ります。

 レコードという非合理なメディアがもたらす豊かさや深みは、合理性だけを追求するだけでは決して手に入らない。こうした非合理こそが、レコードで聴く音楽の本当の贅沢なのです。

<本書より抜粋>

 ビートルズが活動していた1960年代当時、 多くの人たちに届けたかった音に一番近いのは “レコード”です。さらに、メンバー自身がミックスに立ち会ったのはモノラル盤のみだったという制作背景もあります。そのため、僕がリアルタイムで経験することが叶わなかった“あの時代”に思いを馳せるための最良の手段が、当時のレコードを聴くことなのです。 

───<ビートルズ>より抜粋


 僕の場合、すべての作品に対して同じことが 言えるのですが、頭の中でサウンドを再現しながら聴ける状態でないと――つまりほぼ暗記した状態にならないと――その音楽を“好きだ”と素直に言い切れない自分がいます。というのも、楽器の響きやフレーズ、メロディラインを含め、曲の構造を深く理解しないまま、ただ雰囲気だけで好き・嫌いを決めるのは避けたいと思っているからです。その点において『ペット・サウンズ』を好きになるまでに時間がかかったのは、楽曲から得られる情報量がとても多いため、自分の脳内に楽曲の構造をインストールするのにものすごく時間がかかったからだと考えています。本作における多種多様な楽器を駆使した複雑なアレンジを自分の中に落とし込んだうえで聴いた時、ブライアン・ウィルソンの天才的なセンスに脱帽しました。 

───<ビーチ・ボーイズと『ペット・サウンズ』>より抜粋


 あれは僕が27歳の頃のことでした。とある年配の音楽好きの方から、“スペクター・サウンドの本当の魅力は、モノラル専用の針で聴かないと体験できないよ”というアドバイスをいたたいたのが、ことの始まりでした。(中略)いざ聴いてみると CD ともサブスクとも聴こえ方が全然違っていました。ひとつの塊となって鳴り響くサウンドに圧倒されてしまったので す。少し悔しいけれど“あのオッサンの言っていたことは間違っていなかったんだ”と思いました。今思い返してみても、自分の音楽観が一変するほどの衝撃的な出来事でした

 ───<フィル・スペクターと“ウォール・オブ・サウンド”>より抜粋


 多くのロック・ミュージシャンを悩ませ続けた大衆性と精神性のジレンマを飛び越え、国内で初めて“サステナブルなロック・ミュージシャン”として、長年にわたる継続的な活動モデルを確立したのは、サザンオールスターズだと考えています。なぜ彼らが音楽シーンの第一線で活躍し続けることができたのか。それは、“ポップで良質な楽曲を作る”ことを第一義としつつ、その枠内で最大限の音楽的冒険を行なったからです。僕はこの手法を“桑田佳祐モデル”と呼んでいます。  

───<1970年代の邦楽ロック>より抜粋


 僕が小泉今日子の「Fade Out」で最も魅力を感じるポイントは、“楽器演奏が歌詞の続きを描く”という点にあります。この曲は約8分の長尺で、<二人きりハイウェイに消えてゆくわ>と最後のサビを歌ったあと、4つ打ちのビートに乗せて情熱的なサックス・ソロが楽曲を締めくくる構成になっています。つまり、物語の結末を伝えるのは言葉ではなく楽器なのです。燃え上がるようなアバンチュールを象徴する、火を吹くようなサックスとともに、楽曲は文字どおりフェード・アウトしていく。これは、実は昔から使われてきた手法でもあり、“セクシャルな描写はみなまで言わずとも楽器に任せる”という演出は、過去の音楽作品にもたびたび見られます。例えば、キッスのライフ・゙アルバム『地獄の狂 獣キッス・ライヴ』に収録されている「彼女 (She)」では、<彼女が服を脱いだら>と歌った直後に、エース・フレーリーが鬼のような怒涛のギター・ソロを弾き始める。これは、“あとは察しろよ”というような古典的な手法ですが、近田春夫のアプローチもこれに近いものかあるように感じます。 

───<女性シンガー>より抜粋

<目次>

Side A ── OVER SEA/海外名盤

1.THE BEATLES/ビートルズ
2.MOTOWN & MONO VIYNL/モータウンとモノラル・レコード
3.THE BEACH BOYS/ビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」
4.PHIL SPECTOR’S WORKS/フィル・スペクターと“ウォール・オブ・サウンド”
5.THE ROLLING STONES/転がり続けるロックンロール・バンドの魅力
6.BRITISH INVASION/ブリティッシュ・インヴェイジョン
7.1960’S US ROCK/1960年代のUSロック
8.HARD & PROGRESSIVE/ハード&プログレッシブ・ロック
9.1970’S HARD ROCK/絢爛豪華なロック黄金期
10.JEFF BECK/ジェフ・ベック
11.BLUES&JAZZ/ブルースとジャズ

Side B ── DOMESTIC/国内名盤

12.HAPPY END/はっぴいえんどと日本語詞
13.ELECTRIC INSTRUMENTAL & GROUP SOUNDS/エレキ・インストとGS
14.DOMESTIC ROCK MUSIC/1970年代の邦楽ロック
15.JAPANESE PROGRESSIVE ROCK/日本におけるプログレッシブ・ロック考
16.JAPANESE RARE GROOVE/民謡
17.SINGER/女性シンガー
18.CITY POP/山下達郎とシティ・ポップ



<著者プロフィール> 

音楽評論家、ミュージシャン。1990年シアトル生まれ。千葉育ち。2019年よりYouTubeチャンネル「みのミュージック」を開設。チャンネル登録者数は48万人を超える(2025年2月現在)。ロック・バンド「ミノタウロス」としても活動。ラジオDJとしても活躍。

<書誌情報>

タイトル:『みののミュージック』
著者:みの
発売:2025年6月9日前後 
デザイン/DTP:猪野麻梨奈 
撮影:西槇太一 
仕様:192ページ/4C/並製本/B5変型判
ISBN:978-4-9913867-0-1
発行/発売:株式会社ビターズ
価格:本体3,000円+税(3,300円) 
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